依存症の家族が孤立しがちな理由

「同じ経験をしないとわからない」

依存症の家族のことは、
同じ経験をしないとわからない。

残念だけれど、
私はそう思っています。

最初は、私も誰かに話そうとしました。

友達に。
同僚に。
支援者に。

でも、ある時から気づき始めます。

この話は、通じない。


後ろから静かに刺されることもあった

依存症の家族は、
支援者に助けられることもあります。

でも時には、
後ろから刺されるような経験をすることもあります。

私の場合、裁判所に提出される書類に
こう書かれていました。

「メンタルが不安定な母親」

それを見たとき、
私は思いました。

ああ、
私が原因みたいに言ってしまっている。

と。


人は静かに離れていく

孤立は、
大きな事件として起きるわけではありません。

むしろ
とても静かに起きます。

例えば、

インスタで
突然コネクションが切れる。

WhatsAppで
「お誕生日おめでとう」と送ったメッセージが

ずっと既読にならない。

友達だと思っていた人が、
ある日から
いなくなっている。

責められたわけでもない。

でも、
確実に距離ができている。


世界が高速で音を立てて通り過ぎていく

あのころ私は、
こんな感覚を持っていました。

周りの人たちが、
すごい速度で通り過ぎていく感覚。

まるで

びゅんびゅんと
人が、出来事が、通り過ぎていく音

が聞こえるような気がした。

自分だけが
そこに取り残されている。

そんな感じでした。


人間の生活とは思えない生活

そのころの生活は、

正直に言うと

荒んだ暮らし

でした。

毎日のように何か事件が起き。
その処理に精一杯の中また次の事件が起き。

ジェットコースターから降りられない悪夢
みたいな感覚を持っていました。

私はその

息子との荒んだ生活を
なんとか整えようとして

毎日疲れ果てていました。

そうこうしているうちに
まわりのみんなはどんどんびゅんびゅん
先にいってしまう。

音をたてて。

そんな感じでした。


孤立は弱さではない

だから今、
私ははっきり言えます。

依存症の家族が孤立するのは、

弱いからでも
性格の問題でもありません。

それは

構造的に起きること

です。

理解されにくい現実。
言いにくい問題。
偏見。

そういうものが重なって、

家族は
どんどん孤立していく。


だからこそ

だからこそ、

私は今
一つのことを強く思っています。

「ひとりで抱えない」

それが
どれだけ難しいことでも、

それが
どれだけ勇気のいることでも、

それでも

ひとりで抱えない。

それが
家族が壊れてしまわないために
本当に大事なことだと

私は思っています。


最後に

もしあなたが今、

「この話は誰にもわからない」

そう感じているなら、

その感覚は
きっと間違っていません。

依存症の家族の経験は、
本当に特殊だからです。

でも、

あなただけではありません。

同じような場所を
通ってきた人は

確かにいます。