家族が依存症になったとき、
「どう関わればいいのだろう」と迷う人は少なくありません。
調べてみると、いろいろな支援の方法が出てきます。
12ステップ、CRAFT、ハームリダクション……。
では、どれを選べばいいのでしょうか。
依存症の家族を支える方法には、実はいくつかの異なるアプローチがあります。
今日は、その代表的な考え方を少し紹介したいと思います。
① 12ステップのアプローチ
まずよく知られているのが、12ステップの考え方です。
このアプローチでは、家族と依存症者の人生を切り分けることがとても重要だとされています。
よく言われるのは、
- あなたは原因ではない
- あなたはコントロールできない
- あなたが治すことはできない
という考え方です。
そのため、家族は依存症者の人生を背負いすぎず、境界線(バウンダリー)を大切にすることが強調されます。
② CRAFTというアプローチ
一方で、CRAFTというアプローチでは、少し違う視点があります。
CRAFTでは、家族は単に距離を取る存在ではなく、回復を支える大切な存在だと考えます。
たとえば
- コミュニケーションの取り方を変える
- 良い行動を強化する
- 家族関係の中で回復を促す
といった方法を使います。
つまり、関係性を通して回復の可能性を高めていく考え方です。
③ ハームリダクションという考え方
もう一つ、近年よく知られるようになってきたのが、ハームリダクションという考え方です。
これは、まず
- 命を守る
- 健康を守る
- 社会から孤立させない
といったことを優先するアプローチです。
「完全にやめること」だけをゴールにするのではなく、被害を減らしながら回復の道を探っていきます。
④ 家族というシステムを見る視点
さらに、依存症を家族全体の関係の中で理解するアプローチもあります。
依存症は個人の問題として語られることが多いですが、実際には家族関係や環境の中で影響し合いながら起こることも少なくありません。
私自身も、家族の問題を見ていく中で、個人だけではなく家族というシステム全体を見る視点がとても大切だと感じるようになりました。
家族の関係性や役割が変わることで、状況が少し動き始めることもあるからです。
日本の家族がつまずきやすいポイント
ここで、もう一つ大切なことがあります。
日本の家族は、とてもまじめです。
そのため、何か方法を見つけると、
「これを正しくやらなければ」
「ちゃんと続けなければ」
と、家族が一生懸命になりすぎてしまうことがあります。
でも、依存症の家族支援は、マニュアルどおりに進むものではありません。
人によって状況も違いますし、家族の形も違います。
ある方法が合う人もいれば、合わない人もあります。
私自身も、家族としていろいろな考え方や支援の形に触れながら、自分たちに合う方法を探してきました。
大切なのは「自分たちに合う方法」を見つけること
私自身は、これらのアプローチはどれか一つが正しいというものではないと思っています。
それぞれに大切な視点があります。
だからこそ、
実際に行ってみたり、
話を聞いてみたり、
やってみたりして、
「自分たちに合うかどうか」
を体感で判断していくことも、とても大切だと思います。
家族の回復の道も、また一つではないのです。

